エニグマ

きっと、それは愛じゃないのエニグマのレビュー・感想・評価

きっと、それは愛じゃない(2022年製作の映画)
4.3
ドキュメンタリー監督の主人公が、幼なじみのお見合い結婚に密着する中で愛の重要さや結婚のあり方など気づきを得ていく話。

主演がベイビー・ドライバーのデボラことリリー・ジェームズということで観た。相変わらず良い女優。あらすじも予告も見ずに行ったので、内容が想定していたラブコメと言うよりもパキスタンとかイスラム系の文化にフォーカスした社会派作品で驚いた。展開はある程度予想できるけど、そこまでの描き方が丁寧で寝不足で行ったにも関わらず眠ることも無く惹き込まれて観ていた。

ただのラブコメでは無く宗教的要素やイギリス人とイギリス生まれのパキスタン人との人種的な価値観の差、家族愛を描いたりと中々盛り沢山な内容。それらの要素とマトモな恋愛が出来ない主人公の恋愛観が上手く絡まり、あのラストに終着した時は感動した。直ぐにあの展開に行かないのがまた良い。

本作のコメディ部分は主人公の母親がほとんど担っていた。ややお節介な部分もあるが、主人公が塞ぎ込んだときでも明るく話を聞いてくれる優しさがあって好きなキャラクター。演じるエマ・トンプソンはハリポタでトレローニ先生も演じているが、ハリポタネタが劇中に出てきたのは嬉しかった。また、主人公がシンデレラや美女と野獣、ラプンツェルなどディズニー作品に触れていたが、リリー・ジェームズ自身が実写版シンデレラということもあり面白かった。あと獣医の人は本当にいい人で好き。

思えば今年はジャンル映画ばっか見てたので、こういう感動系も良いなと思える傑作だった。
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