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きっと、それは愛じゃないのvanのネタバレレビュー・内容・結末

きっと、それは愛じゃない(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

痛快な映画でした!

人は人と結ばれて結婚します。
何の為に結婚するのでしょう?

本当にその選択でいいの?
自分の気持ちに正直になろうよ!

そう強く、背中を押された作品でした!

もちろん、その要素だけではいささか軽いです。
しかし家族の問題や信仰の問題、人種間の考え方の違いや異文化も織り交ぜられ、現実問題はそんなに簡単じゃない事を突き付けられます。

みんなそうやってきたんだし、自分が我慢すれば丸く収まる。
画面から漂う登場人物の諦観さは、説得力が高いです。

「人生は短いが、うそをついて生きるには長すぎる!」

そんなゾーイの姿勢が胸を打ちます!
それは自身の作成した映像にも現れ、マイムーナの心を大きく動かし、ラストへ進む原動力となります!

彼女が男と関係を持ちすぐに別れるのは、未だ気づかない自分の心の裏返し、だったのかもしれません。

ジェームズが別れを切り出す場面、とても良かったです!
彼が気持ちを察し、二人は同じ価値観だと判明します。
だからベストカップルになる可能性が高いのです。
しかしその価値観ゆえに別れてしまうのは、切ないながらも二人の決意を感じられた、いいシーンでした!

南アジアの異国情緒あふれる美術や装飾が、とても素敵です!
色彩やデザイン、光の演出もリリカルで、満足度が高いです!


複雑にしようと思えば、いくらだってできるテーマです。
しかし余計な要素は掘り下げず、主題をズバンと響かせた快作でした!
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