今年5月に盟友サモ・ハンが悪の親玉役で出演している「九龍城塞」(Twilight of the Warriors: Walled In)というベッタベタな60s香港の九龍を舞台にしたコッテコテの香港ノワール・アクション作品が香港を皮切りに東南アジアやイギリスで封切られカンヌにもコンペ部門出品されたところで、香港映画史とできれば少々内情をおさらいしなきゃなあという気になっている矢先、いやいや普通に面白く時折涙ぐみながら観ましたよ!矛盾する点もありながらそこが逆に映画撮影の上でハリウッドばかりでなく香港映画業界もが抱える葛藤を際立たせ、観客に映画へ求めるものは何かと問いかけてくる。
日本で時代劇なんか観ないからもっと現在もしくは現代の日本を描写した作品を観たいと願う私のような存在がいるように、香港でもカンフーなんかもういいという人がいるんじゃないかと気になりつつも、ジャッキー・チェンやサモ・ハンのようなベテランが切れ味よい武術を披露して青くさい若僧どもをたたきのめしてくれると『理屈じゃねえんだ!』とスッキリするし、日本がいまひとつ達成しきれていないパワーで押し切るところが香港映画にはあったなあと懐かしくさえ感じる。
欲を言えばジャッキーが自分の出演作だけでなく、影響を受けた作品のオマージュをもっとぶち込んでもよかったんじゃないか。
馬がパルム馬級に上手かった。
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行くことはない中国本土で昨年大ヒット。
ジャッキー・チェンが!
スタントマン!
観に行くしかない!
https://eiga.com/news/20240320/2/