カタパルトスープレックス

ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語のカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

3.7
ウェス・アンダーソン監督がロアルド・ダール原作を映像化したNetflixのシリーズの一本。『ファンタスティック Mr.FOX』(2009年)よりもかなり素直な映像化になっています。

西洋と東洋の出会いという意味では『ダージリン急行』(2007年)に近いテーマ。でも、作風は最近のウェス・アンダーソン監督らしく演者が観客に語りかける読み聞かせに近いスタイル。長編だと疲れてしまいますが、これくらいの長さだと心地よい。

本作は語り部が複数いて入れ子の構造になっている。最初が作者のロアルド・ダール(レイフ・ファインズ)、そして秘術を学ぶカーン(ベン・キングズレー)、そしてそれをさらに取得する主人公のヘンリー・シュガー(ベネディクト・カンバーバッチ)。このような複数の主人公がリレー形式で語るのも『アステロイド・シティ』と同じなのだけど、こちらの方がコンパクトで切り替えが早いので疲れない。

いまのウェス・アンダーソン監督のスタイルは長編よりこのような中編や短編の方があってると思った。