ゆかちん

ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語のゆかちんのレビュー・感想・評価

3.0
ウェス作品て、小説や本を読んでるみたいやな〜小説とか読んでる時の頭の中にある映像というか…て思ってたら、
まんま小説の朗読風味!笑。

短編映画で、サクッとしてる。
てか、映画というより舞台のよう。
その場で転換するセットとか特に。
紙芝居な感じもする。

いわゆる“黒子”の存在をあえて映しながら、その変遷過程を見せるというのもそういうのを浮き立たせる。


可愛らしい美術セットの数々。
色合いが独特なパステルカラー。
グランドブダペストホテルとか含め、同じ人が美術セット監修してるのかな。

淡々と血が通わない無機質な演技。
今回はさらに強調されているような。
でも、なんやろう。
徹底した無機質さがある…身体性とかが漂白されてる…のに、どこか切なさというのか憂いというのか…そういう要素はとても強く感じる。
これがウェスシリーズの魅力なのかなと。

カメラの動きも独特で。
人物を見せるために前後の移動を繰り返すんやけど、これまで以上にその奥行きが狭い気がする。


話としては、児童文学らしく、教訓的メッセージを感じる。奇想天外すぎるけど笑。


これは、金持ちで苦労知らずの男性が初めて苦労して習得した透視能力で、善い行いをして人生を終えるという物語。

元は、金持ちで自分の欲を満たして今の生活を保つ…いや、それ以上を求める人だった。
だって、結婚しないのは自分の財産を分けないといけないのが嫌だからっていうくらいやもん。

で、最初は透視能力を身につけてギャンブルで儲けようという不届きな考えで始めたのだけど、そうやって儲けても虚しいだけって感じ、結果的には、世のため人のために尽くすために使うことにする。

つまり、ヘンリーが自分の能力を、自己欲ではなく他の人のために使うというすごく善良な物語。



ウェス色が爆発してるけど、話の中身は原作通りなのかな。

ベネディクト・カンバーバッチ
レイフ・ファインズ
ベン・キングスレー
デヴ・パテル

…て、めちゃ良い。
カンバーバッチ先生もついに「いつメン」入りするのかしら?

カンバーバッチ先生の七変化めちゃ可愛かった笑。
女装も華麗。

ベン・キングスレーって、重みがあるのも飄々としたのも変てこりんな人も何でもハマるね。

デヴ・パテルいいねー。
なんか目を惹く役者さん。

レイフ・ファインズがお爺さんみたいに出てきたけど途中からシャンとしてとうとうとセリフを言うのすごかった。


てか、セリフすごい量。
みんな覚えてるんやろか。
それとも読んでるんやろか笑。
カメラ目線だからカンペあっても良い感じがする。

しかもみんなペラペラ〜って早く話すのがまた凄い。


無機質な演技ながら、その奥に味わい深い演技を見せるカンバーバッチ先生良かった。
ゆかちん

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