翔

ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語の翔のレビュー・感想・評価

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流れるように物語が進み、そしてあっけなく終わる。普通の映画なら、それが描くテーマについて、いろいろ考えを巡らせる。しかし、この映画は伝えたいことやなにかの問題に対してのわかりやすいアプローチはなく、何が言いたかったかははっきりとはしない。第四の壁を越えて登場人物たちが早口に語りかけてくるので、ついていくのに必死で鑑賞中はあまり気づかなかったが、セットや小道具が出てきたりしまわれたりがあまりにスムーズである。ものすごい試行回数を経て、完璧を作り出した結果、自然に見れてしまい、その完璧さに観客(僕)は気づかないという、メタで皮肉を作り出している(と感じる)作品。
翔