Bahun

ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語のBahunのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

[そこまでワンダフルではない]

ファンタスティックミスターフォックスと同じ、ロアルド・ダールとウェス・アンダーソンのペア。ダール原作をまた選んだってことは相性が良かったんだろうか。

ファンタスティックミスターフォックスが見たかったのだけれど、見れるサービスを契約していないので、『奇才ヘンリー・シュガー物語』(原作のこと)大好きだったし、代わりにこちらを視聴。以下は原作を幾度も読んだ原作ファンとしての感想です。原作を読んでいない人は問題なく楽しめると思います。

うーーーーん、あんまりワンダフルではない…。という感じ。
子供の頃に憧れたヘンリー・シュガー役が大好きなカンババなのも嬉しいし、ウェス・アンダーソンの画面作りは相変わらずおしゃれで可愛いんだけど、、、こういうの、解釈違いって言うんでしょうね。
「ヨガの秘技に目覚めた大富豪で、稼いだ額全部孤児院に送っている義賊的な人」って、もうちょっとハッピーな雰囲気出してると思うんすよね。でも、この映画のヘンリー・シュガーは淡々とイカサマをしているから、こっちも冷めた目で見ることになって、抱く感想がこちら。
「真面目な犯罪者じゃん…」

ウェス・アンダーソンという人が割と文学的な映画作りをする人だというのもあるかもしれない。『フレンチディスパッチ』を観た限りだと、映画をストーリーテリングと画に分裂させて、それぞれに語らせるような手法をとる人だと思っている。ただ、それって、挿絵と文章で魅せる児童向け小説と同じ構造をしていて、結果として「ロアルド・ダールと四つ組んで真剣勝負」ということになってしまっていた。ロアルド・ダールがなまじ素晴らしいが故に、その方法だと見劣りしてしまった。原作ファンとしての受け取り方はこんな感じです。

多分、ロアルド・ダールの原作を読んでいない人はいつもと変わらぬウェス・アンダーソン作品として観れると思います!本の作者が語り手でオムニバス形式ってのはフレンチディスパッチとそっくりだしね!

追記:ウェス・アンダーソンが静かな人物、画面しか描かないからこうなのかな…?と思ったけどフレンチディスパッチの最後二つの話とかはもっとみんな感情豊かで、画面も動きがあったよな…。
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