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おしょりんのregencyのレビュー・感想・評価

おしょりん(2023年製作の映画)
1.5
鯖江ブランドで知られる、日本産メガネの95%を生産する福井県のメガネ産業の礎を描いたサクセスストーリーだが、冒頭で福井の観光スポットを紹介するPR映像が流れる。2024年の北陸新幹線延伸開業を見越した観光誘致目的で作られた作品とはいえ、あまりの露骨ぶりに驚いてしまった。
メガネ産業を築く兄弟と兄嫁の3人を主軸とした、三角関係的な描写も絡んだ何とも微妙な昼メロテイストで話が進むが、鑑賞後に読んだ原作に準拠していて再度驚いた。モデルとなった実在人物達もそういう関係だったのかは分からないが、とにかく驚かされる事だらけ。
福井メガネが外国製と比較していかに優れたものとなったのかが物語の焦点だと思うが、そのあたりの描写も説得力に欠けるし、俳優とエキストラと思しき一般人の演技の差が如実に表れてしまっているのも辛い。兄役の小泉孝太郎はパッとしない俳優という印象が抜けないが、顔力はあるのでセリフを喋らせず終始苦み走った表情をさせると活きると思った。あと津田寛治っていつからクセ者役御用達俳優になってしまったのか…
とにかくこちとらすぐ物語を見たいのだから、冒頭のPR映像が蛇足以外の何物でもなし。エンディングに入れた方がまだスマートだったよ。
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