オーケンシールド

私がやりましたのオーケンシールドのレビュー・感想・評価

私がやりました(2023年製作の映画)
3.5
フランソワ・オゾン監督のユーモア炸裂。
劇場型犯罪を映画化した社会風刺コメディ。
快活でレトロな雰囲気漂う紳士的な台詞劇。

パリの豪邸で起きた映画プロデューサー殺人事件。新人女優マドレーヌと弁護士ポーリーヌ、家賃を滞納して困窮する共同生活。婚約者アンドレとの破局。そして執拗に追及する判事に正当防衛の主張。練られた脚本に訓練された演技。吐露する女性蔑視社の権利主張。判決で“無罪”を勝ち取り歓喜する被告と担当弁護士。歴史的勝訴で人気を博す中、殺人事件の真犯人を名乗る老女オデットの登場。真相をバラすと脅して口止め料30万を要求。大手建築会社の御曹司であるアンドレとの結婚を猛プッシュ。建築家パルマレードの仲介で最後の一芝居。種明かしとなる舞台演出、沸き起こる拍手喝采。

女性蔑視に対する社会への警鐘。それでいて説教臭くないコメディ演出が観やすかった。着想はハリウッドの大物プロデューサー・ワ◯ンス◯インの性加害だと勝手に想像するけど、実際「シー・セッド」など女性が主格となり社会問題へ踏み込む作品が一つの風潮となっているので、邦画も続いて欲しい。
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