No.1582
2023.12.5視聴
オゾンー25(2023年作)13/25
オゾン監督のセンスの良さが光る傑作。
これはオゾン作品のベスト3に入るかもしれません。
売れない女優が殺人容疑者となり、開き直って「私がやりました。しかし正当防衛です」と見事な陳述で無罪を勝ち取り、メディアにもてはやされて、人気ものになる話です。
昨日観た「彼は秘密の女ともだち」のような性的倒錯作品を、監督のどこか奥の方にある欲求で、どうしても撮りたくなるんでしょうが、私はどちらかと言うと、こちらの系統の映画の方によりセンスを感じて好きです。
いよいよこれは病みつきになります。
舞台は1930年代のフランス。この雰囲気がすごくいいのです。そしてなんでもありそうな雰囲気が漂います。
マドレーヌ(ナディア・テレスキウィッツ)は売れない新人女優。
ある日、有名映画プロデューサー・モンフェランの自宅に呼び出され、端役と交換に愛人契約を持ち掛けられ、襲われそうになります。
すんでのところで逃げ出した彼女でしたが、このモンフェランが、その夜殺害されたことから、容疑者なってしまうのです。
普通だったらここは絶対絶命のピンチなのですが、裁判では、弁護士ポーリーヌが陳述の台本を書き、女優になりきった彼女が見事な陳述を行います。正当防衛を主張し、見事に無罪を勝ち取ることに成功するのです。
すると、メディアは放っておきません。これは今も昔も変わらない現象、新聞が大きく取り上げて、一躍時の人となったマドレーヌは悲劇のヒロインとしてスターの座へと駆け登っていきます。
実はこの裁判のシーンがおかしいのです。
マドレーヌ、ポーリーヌの発想も面白いのですが、それを追求する判事も裁判官もそれを取り巻く人達も全てセリフがすごくおかしくて笑います。
ところが、ある日、マドレーヌとポーリーヌの前にかつての大女優オデットが現れ、プロデューサー殺しの真犯人は自分だと言い出すのです。
この大女優を演じるのがなんと、あのイザベル・ユペールなのです。
想像しただけで笑ってしまうでしょう⁉️
ジャケ写を見るとこんなことが書いてあります。
「この犯罪は誰のもの?」
さあ、あとはゆっくり楽しんで下さい。^_^