Ricola

私がやりましたのRicolaのレビュー・感想・評価

私がやりました(2023年製作の映画)
3.6
人生なんて世の中なんて、真実ばかりで構成されているとは限らない。そういった事態はマイナスに捉えられやすいと思うが、嘘も方便というように、その方がいい場合もあるようだ。
筋書き全てがご都合主義だけど、ここまで貫かれていると清々しい。


弁護士の卵ポーリーヌと女優の卵マドレーヌが主人公。マドレーヌが殺人犯と疑われるも、それを逆手にとってポーリーヌは弁護する。この「嘘」が成功するものの、本当の犯人を名乗る者が現れる…。
「わたしの犯罪を返して」というパワーワード。どんなことが自分の身に降りかかってきても、自分の知恵や発想次第で切り抜けることができることを、ポーリーヌとマドレーヌは示していく。

舞台の幕で物語が始まり終わる。ジャン・ルノワールの『黄金の馬車』のように、この作品そのものが、当たり前だがフィクションであることを強調するようである。
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