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私がやりましたのxavierのレビュー・感想・評価

私がやりました(2023年製作の映画)
4.0
この犯罪は誰のもの?…
有名映画プロデューサーのモンフェランが自宅で殺された。容疑をかけられたのは貧乏な若手女優マドレーヌ。法廷に立たされた彼女はルームメイトで新人弁護士ポーリーヌが書いた「自分の身を守るために撃った」という正当防衛を主張する完璧なセリフを読み上げ無罪を勝ち取る。それどころか悲劇のヒロインとして時代の寵児となりアッと言う間にスターの座へ駆け上がり、優雅な生活を始めるマドレーヌとポーリーヌだったが…
ストーリーはこんな感じ。
作品の舞台は1935年のフランス。まだ女性蔑視の強い時代で、同じ仕事をしても女性は男性よりお金を貰う事が出来なかった
そして作品の中でも描かれているのだが、マドレーヌの裁判の陪審員が全て男性!
どう考えても、女性のマドレーヌに取っては不利な状況。そんな舞台背景をバックに男性を皮肉った作品を作り上げたフランソワ・オゾン。かなり面白かったわ…

まぁ、出てくる男出てくる男がバカ過ぎる
モンフェラン殺害の捜査にあたったブラン警部は、鼻っからマドレーヌが殺したと疑い彼女を犯人として捕まえたいと思っており、彼女が不在の時を見計らい部屋へ侵入し彼女が護身用に持っていた拳銃をモンフェラン殺害の証拠として盗むは、大家から彼女が不利な証言を得て彼女を犯人と断定してラビュセ判事に話す。またこのラビュセ判事がバカでその話を鵜呑みにし事件の犯人はマドレーヌだと思い込む。そうして裁判が始まっていくんだけど、マドレーヌのルームメイトで弁護士のポーリーヌが強かなんだわ。
まぁ、マドレーヌがやっていないことは百も承知なんだけど、マドレーヌが自身を守るために殺害したという正当防衛を主張するシナリオを考える訳なんだよね。
またそれが傍聴に来ていた女性たちや陪審員まで味方にしてしまったんだから大したものだよね。そしてマドレーヌは無罪を勝ち取りめでたし、めでたし…とはならないんだよね。ホントの犯人がいる訳だし…
そこで出てくるのがイザベル・ユペールが演じるかつて大女優だったオデット!
まぁ、コレが嫌な女でね、ホントの事をバラすって言い出すんだわ。
マドレーヌがこの事件で脚光を浴び人気女優になった事も僻んでの事もあるんだけど目的はお金なんだよね。
それに困った二人はある事を思いつくんだけど…

それにしても皮肉たっぷりだったなぁ…
ここまで男をバカにして描けたの…まぁ、ホントにバカだからしょうがないけどね。
それにあの事件以後、関わった人たちがどうなったのか?って エンドロールも笑えたなぁ…
なかなか面白い作品でした。
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