久々のオゾン監督作。
売れない新人女優マドレーヌが有名プロデューサーに体を求められてしまい、突き飛ばして逃げてくる。
友人で弁護士のポーリーヌに相談するが、そこへ警察が来てプロデューサーが死んだことを告げ、マドレーヌを逮捕する。
この件だけ見ればMETOOの元になったワインスタインの事件のようだが、時代は1930年代。
女の権利などあってないようなものだが、そこをコメディ喜劇のようにしてオゾンは撮っている。
本来は悲劇のはずだが、そこをこの女性コンビは逆手にとって、のし上がるための道具にする。
ブラックユーモアもしっかりあって、ギロチンで切られた首をしっかり写してくる。
体を使って男を誘うなど、女性の武器をオゾンはしっかりと分かっている。
中盤出てくるイザベル・ユペールも使い捨てではなく、敢えて大袈裟に演技しているのも楽しい仕上がり。