環境破壊で被害を負った若者達が世間に環境問題を訴えるため、パイプラインを爆破しようとするお話
20年代らしさと古典的クライム映画が混ざり合ったような感触の映画で痺れる。物語の題材や演出の仕方はかなり現代的な映画な一方、編集スタイルは『スナッチ』のような古典的クライム映画と似ており、終盤に進むにつれてそれが上手い具合に緊張感を演出するのに作用していて面白い。
「環境破壊を食い止める」と言うよりも「世間に環境問題を訴えかける」というアクティビストの第一歩目が描かれる。爆弾作製、計画実行の様子を描きながら合間合間に各キャラクターの背景が描かれるような構成となっているが、とにかくその編集が気持ち良い。ノイズとなりそうな登場人物紹介をノイズに感じないぐらいの絶妙な長さで見せて、しかも初っ端からアクティビスト集団の中に私達も無理やり捻じ込まれるようなスピード感溢れる作りとなっている。
ドキュメントタッチと劇映画の合間を行き来するような質感の映像で描かれる爆弾作製と計画実行までの流れもかなり面白く、純粋なエンタメクライム映画として普通に楽しめる映画となっていて良かった。
