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シミュラント 反乱者たちのハルのレビュー・感想・評価

シミュラント 反乱者たち(2023年製作の映画)
3.5
お誘い抱き、「未体験ゾーンの映画たち」なる映画イベントに参戦。
内容的には至ってオーソドックスなSF作品。
人工生物『シミュラント』が意思を持ってしまうことがきっかけで様々な弊害を生んでいくストーリー。
シミュラントは「人間に危害を加えない」「命令に服従する」などの制約があるロボットのようなもので、AIが絡む作品によく出てくるやつをイメージしてもらえれば。

愛する人が亡くなった時、擬似的にでも存在していてほしいと願う人の心の弱さを描いているが…
昨年末に最愛のワンコが天国に旅立った事から、自分に置き換え考えてみたりもしたけど、創造された命で蘇ってほしいとはとうてい思えなかった。
闘病生活が二年程あり、生を全うしたことに対するリスペクトの気持ちが強いのかもしれない。
みなさんは大好きな恋人や動物がいなくなってしまったら、例え人工物だとしても蘇ってほしいと願いますか?

そうした“心への問いかけ”を本題に置きつつ、意思を持たず人間に従順なはずのシミュラントが「なぜ暴走したのか?」も、一つのテーマ。
“造られた者”が愛を求める矛盾について掘り下げていく流れ。
こうした形で人間側、シミュラント側の双方の視点から物語が綴られている。

ラストの結末は捻りを加えているものの、基本的には既定路線なので、想定内の範囲内にすべて収まってしまう作品。
つまらなくはないけど、着地点としては平坦な印象は拭えずでした。

〜未体験ゾーンの映画たち〜
日本公開が見送られてしまう傑作・怪作映画を、映画ファンの皆様にスクリーンで体験いただくことをモットーに開催している劇場発信型映画祭。
※参照 ヒューマントラストシネマ渋谷HPより抜粋
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