ひろ八景

いっちょらいのひろ八景のレビュー・感想・評価

いっちょらい(2023年製作の映画)
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「いっちょらい」とは「一張羅」の福井弁で、福井民謡の名前でもあるが、ここでは「自分にとって一番いいもの」を指します。

 ストーリーの概略の説明すると、東京で自分の店を出す事を夢見ていた主人公テツヤは、父の介護のために夢を諦め実家の中華屋を継いで、日々の生活を漫然と送っている所から色々な出来事が起こるという流れです。

 テツヤは夢を失って以降、常にうじうじしていて、人の悪口を言ったり、過去を振り返ってばかりいたりして、ただただ情け無く見えたのですが、それでも父の身を案じたり、父の願いを叶えてあげようとしたりした所は、テツヤなりに頑張ろうとしてはいるのかなと思ったりしました。

 この映画は「幸せとはなんだろう」という事をテーマとしているようで、主要人物のセリフにも「幸せって何なんやろうね」と言っています。しかし、テツヤにとっての幸せが何であるのかまでは結局わかりませんでした。

 しかし「今」の自分を受け入れて大切にする事が幸せなのではないか、と監督は挨拶の最後に仰っていました。

 そういった意味では、テツヤはラストシーンで「今」を受け入れようとしていたのかなとも見えます。

 私の尊敬する方も「今を生きる」という言葉を座右の銘にされているので、自分も過去に囚われず「今」を大切にしていきたいです。
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