Kaz66

花腐しのKaz66のレビュー・感想・評価

花腐し(2023年製作の映画)
3.9
とても文学的な“佇み”の映画。
原作は2000年の芥川賞を受賞した、松浦寿輝さん(69才)の同名中編小説。
その原作に「火口のふたり」で監督も務め、大胆に“東日本大震災と性(繋がり)”を描いた脚本家の荒井晴彦さん(76才)が、自身のリアル感として原作にはない『ピンク映画の斜陽』というプロットで脚色し撮った作品。「火口の〜」同様に“大震災”も少しかかってます。
筋を説明すると元も子もなくなるタイプなので書きません。自分の感性や想い出で“行間/隙間”を埋めるような作品です。
2000年代前半〜2012年頃までを、現在はモノクロで思い出はカラーで描く、綾野剛と柄本佑が雨に佇み、幸せに出来なかった女の記憶に思い耽る様が、とても文学的に写る映画でした。
“かつて愛した女”は美しい(思い出は色褪せない)って事ですね…フムフム。
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