シトリン

花腐しのシトリンのレビュー・感想・評価

花腐し(2023年製作の映画)
3.5
ずーっと煙草、酒、過去に抱えた何か、退廃的な雰囲気。
「そこのみにて光輝く」 を観たことある人にとってこの作品の綾野剛はあの映画を思い出させる風貌があると思う。

内容は2人の男が、過去に付き合っていた1人の女の話を交互にずっと語る。
ピンク業界にいながらひたすら同じ女の話をする、他に遊んだ女の話が出てこない。
やがてそれが同じ女の話だったと気づく。

この展開はとてもロマンチックだし、現在がモノクロ、過去がカラーなのも良い。
しかもあれだけ語れるなんてなんて純粋な男たちなんだろう。

語り合う2人の不健全な色気と普通っぽいのに普通じゃないさとうほなみの存在感はとても良かった。

「愛があると愛が邪魔して正常位しか出来ない」この台詞が好きだった。

残念だったのがラストの方の女同士の絡み合い。
ピンクの撮影シーンでもないのに唐突だし、喘ぎ声が大分AV並に演技臭い。
後から調べたらプロのAVの方でした。

あれがなければもっと上質な映画として観れたな。雨のシーンもとても綺麗だったし。

さとうほなみの頑張りと存在感を邪魔したような気がして残念。