くさむすび

花腐しのくさむすびのレビュー・感想・評価

花腐し(2023年製作の映画)
4.2
荒井晴彦、食わず嫌いだったけど割と好みかも。なんて言ったって、何気ない飯シーンを重要視しているのか、長めに撮っているのが自分の性癖に刺さる。綾野剛が韓国バーでマッコリ片手にホッケとキムチ食う所、さとうほなみと鍋やしゃぶしゃぶを食う場面など。今作で度々出てくるセックスだって生を感じさせるものだけど、食事だって生を感じさせるものだと言うのをこの人はわかってる。これだけで好きになりました。
内容で言えば、20代半ばの遅れた青春と、過去の恋愛話の回想からセックスと愛に対する哲学を繰り広げる会話劇は面白かった。終盤の3P筆頭にギャグかと思うシーンもあるんだけど、挿れる側だったのが挿れられ、撮る側だったのが撮られるという立場の変化は面白いし、「この人は映画の力を信じている人なんだな」と言うのが遠回しだけど伝わってくる。
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