クリーム

花腐しのクリームのレビュー・感想・評価

花腐し(2023年製作の映画)
3.7
綾野剛と柄本佑のダメンズ合戦は、流石の演技力。そして、さとうほなみさん、お初だったのですが、「ゲスの極み乙女」のドラマーなんですね。凄く身体張ってて驚きました。AVの方達とは明らかに違う生々しさが良かったです。AVの監督や脚本家のお話なので、お一人での観賞が良いかと思います(笑)。
不思議な内容にわざと作り込んでる感じがしました。解釈が分かれる作品です。

ピンク映画の監督である栩谷は、同棲していた女優志望の祥子が同業者で友人の桑山と心中をした為、祥子の弔問に行きますが、両親から門前払いされました。栩谷は5年間、映画を撮っておらず、アパートの大家に家賃の遅延をお願いに行くと、大家は所有するアパートを解体する為に1人立ち退き拒否している男を退去する様に説得し、部屋の様子も見て来て欲しいと言われるのでした。



ネタバレ↓



栩谷が訪ねると伊関と言う男がいて、出て行かないと相手にしません。 井関は栩谷を部屋に入れ、2人は話始めます。
脚本家志望の井関も仕事がなく、AVの脚本を書いていた。栩谷と縁のある制作会社で、2人は話が弾みます。伊関と栩谷は付き合っていた女の話をしながら、それぞれの過去を振り返ります。
2人の女性は、同一人物で、亡くなった祥子でした。祥子は奔放で、酔っ払ってやりたい放題だが、井関と付き合っていた頃は若く、子供が出来ても要らないと堕していた。しかし、30歳を越え栩谷との子供は欲しかったが、要らないと言われ揉めていた。結局、流産してしまい心のバランスを崩し桑山と心中した。
部屋からスナックに場所を移し、再びアパートに戻ると留学生のリンリンは女友達と薬物で乱れていて、栩谷もリンリンと性交し、眠ってしまう。
目が覚めると誰もおらず、パソコンに『花腐し』と題された脚本があり、昨日の話が綴られていた。
栩谷は祥子が桑山との事を告白して来た時に何も言わなかった部分を怒り狂って彼女を叩き、抱きしめたと訂正した。
栩谷がアパートの部屋を出ると祥子の幻影が見え、伊関の部屋に入って行った。栩谷が追いかけ扉を開けます。そして、彼は涙を流すのでした。

過去をカラー、現在をモノクロで描き、ラストは、各々が解釈するスタイル。
私の勝手な解釈は、井関は架空の人物で、祥子との事を後悔してる栩谷が、作り上げたストーリーだったんじゃないかと思いました。ストーリーを作り上げ、その中で懺悔した栩谷。全てが完成した時に祥子の幻影が現れ、栩谷は自分自身を許したのかな?って思いました。
祥子の心中は、栩谷を愛していた彼女は自分に気のある桑山を利用し、栩谷に嫉妬して欲しかった。心中は酔っ払ったとか突発的な事だったんじゃないかと思う。死ぬ気は無かった。なにしろ、さとうほなみさんのその辺にいそうな女な感じ、裸体のエロさが脳裏に焼き付きました。そこそこ楽しめるけど、長い。

※幽霊の話らしい💦「花腐し」芥川賞受賞作の映画化だそう。
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