福野ふくろー

花腐しの福野ふくろーのレビュー・感想・評価

花腐し(2023年製作の映画)
4.5
第123回芥川賞受賞作品の映画化。
女優、祥子が自殺した。その女性と付き合っていた2人の男がたまたま会って、昔話をする話。

面白かった!
繊細にそれぞれの思い出が語られ、祥子の気持ちを想像させられる。
時期の違う祥子の対比も面白い。
少し悟ったような、気だるい雰囲気で男2人が話すのが様になっていてかっこいい。タバコ吸う姿良すぎる。少し恥ずかしくなるくらい浸っている。痛いけど、それがいい。
同じ女性の話をしてたことにお互いが気づくシーンも好き。すごくあっさりしているが、そこでさらに男2人が通じ合ったように見える。スマート。

最後はどういう意味なのか。
夢にも思えるし、しゃべっていた部屋の空間は言っていた幽霊だったのかもしれない。
不思議な後味の後、カラオケシーン。余韻が凄まじい。

雰囲気でずっと見れる映画。好みでした。純文学ってなんでこんなに魅力的なんだろうか。

【蛇足】
さとうほなみの演技、思い切りがすごい。AV女優のMINAMOも肝座りすぎ!