イワシ

首のイワシのレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
3.8
首無し死体に始まり、首に終わる。斬首描写でそれなりに満足したのは荒川良々のそれくらいか(この場面も首の落下より家臣の落水に笑った感はあるが)。代わりにビートたけしの草履放擲の速度に大爆笑。影武者を使った擬似的な『オール・ユー・ニード・イズ・キル』も好き。ラスト、ギャグで落とすかと思いきやしっかりアクションで閉じるのは流石。草履と首が描く軌道の見事さよ。

金銀財宝大判小判の山盛りはラストの首の山盛りへと変奏されるが、ビートたけしの「俺が天下をとったらこんなモンじゃないぞ」の台詞を念頭に置きながら思い返すと、この山盛りが朝鮮出兵時の耳削ぎ鼻削ぎのそれのように見えてくる。地味にメルギブ『アポカリプト』を連想するラスト。
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