戦国版「アウトレイジ」とでも言うべきか。
個人的にはヤクザ映画よりも戦国映画の方が
フィクション感が強くて飲み込みやすい。
「首」というタイトル通り切り株描写もたくさんあるが
北野映画らしく絵画的でもあり美しく感じる。
人数の多い合戦シーンも見応え十分。
衆道・男色は武士の嗜みなのはお馴染みというくらい
割とそういったシーンも多い。
昨今の流行からすればもっと美しくピュアに
「ムーンライト」のようなLGBT映画にもできたろうに
かなり下世話に描いているのがとても好み。
GだからBだからと綺麗な感じにしていないのが
普通の関係っぽくていいね。
この辺の遠藤憲一の情けない感じ大好き。
少なからず他の北野映画でもしばしば見られる
照れ隠しのギャグシーンは
面白いんだけど若干ノイズでもある。
特にビートたけし本人の登場シーンは
ほとんどギャグを入れていたようにも思う。
「いや〜オイラなんてさぁ」と頭ポリポリかいてる
監督本人の姿が透けちゃうのがちょっと嫌。
本作において"首"は
愛であり欲望であり誉であり恥であり
色んなものを象徴している。
そんな"首"が迎えるラストが印象的。
実利的というかなんというか。