からかす

首のからかすのレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
3.5
戦国版「アウトレイジ」とでも言うべきか。
個人的にはヤクザ映画よりも戦国映画の方が
フィクション感が強くて飲み込みやすい。
「首」というタイトル通り切り株描写もたくさんあるが
北野映画らしく絵画的でもあり美しく感じる。
人数の多い合戦シーンも見応え十分。

衆道・男色は武士の嗜みなのはお馴染みというくらい
割とそういったシーンも多い。
昨今の流行からすればもっと美しくピュアに
「ムーンライト」のようなLGBT映画にもできたろうに
かなり下世話に描いているのがとても好み。
GだからBだからと綺麗な感じにしていないのが
普通の関係っぽくていいね。
この辺の遠藤憲一の情けない感じ大好き。

少なからず他の北野映画でもしばしば見られる
照れ隠しのギャグシーンは
面白いんだけど若干ノイズでもある。
特にビートたけし本人の登場シーンは
ほとんどギャグを入れていたようにも思う。
「いや〜オイラなんてさぁ」と頭ポリポリかいてる
監督本人の姿が透けちゃうのがちょっと嫌。

本作において"首"は
愛であり欲望であり誉であり恥であり
色んなものを象徴している。
そんな"首"が迎えるラストが印象的。
実利的というかなんというか。
からかす

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