キャトラーズ

首のキャトラーズのレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
4.7
予告が流れてから戦国版アウトレイジとも
呼ばれていた今作だったが、
想像以上にグロと男色と笑いが詰まった映画だった。

新左衛門曾呂利のすべらない話や
光秀サッカー、秀吉軍マラソン大会、
そして荒川良々などなど
後々ネタになりそうなシーンが多々あったが
秀吉、秀長、黒田官兵衛の
無駄に尺の長い無駄なアドリブ会話の
適当にやるビートたけしに
どこまでやっていいか読めず
ビビりながら追従する大森南朋、浅野忠信が
垣間見えて爆笑してしまった。
特に大森南朋さんは
ときたま現代の標準語の会話をしてた、
もうちょっと頑張ってくれ。笑

光秀の紫を基調とした衣装と
佇まいや表情の美しさに
ありありと見惚れてしまった。
西島秀俊さんだけ
違う映画みたいな空気感があった。
主要キャストで唯一最後まで
真面目に演技していたんじゃないか?笑
というか西島秀俊さんって
周りがふざけていても
いつも西島さんだけはシーンを成立させようと
気を抜かず真面目に演技するよな。
あの実直さがかっこいいんよな。


中村獅童さん演じる農民の
あの時代では異常ではないのかもしれないが
側から見ると飛び抜けている狂気性と強い野心を
ただただ凡庸で普通な人間が内包している様に
他では味わえないリアリティを感じた。


「プライベートライアン」の上陸戦並みに
大量の兵士が死んでいく。
それが、この時代のありふれた日常であり
この野蛮な歴史と戦争の積み重ねの先に
今自分の未来に繋がっていることが
にわかには信じられなくなってしまった。
今作で思いの外、現代の間抜けた平穏さを教えられた感があった。
キャトラーズ

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