社会のダストダス

首の社会のダストダスのレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
4.6
本能寺が変

監督:北野武 主演:ビートたけし

映画『笑える死に方選手権』を観てきました。ちなみに私は信長様に宣教師が斬られるところが理不尽すぎて最高に好きです。

The 怪 作

秀吉「信長ァ!!このやろ…痛っ!」

久々に映画館で声出て笑った。登場人物みんな地獄に堕ちた方がいい人しか出てこないし、そんな人たちが景気良く死んでくので、グロ耐性さえあればとても元気になれる映画です。

基本的にクソ人間しか出てこない中でも加瀬亮演じる織田信長が筆舌に尽くしがたいほど頭がおかしい。本作は史実で信長様が亡くなる少し前から始まるが、今までの戦にどうやって生き残ってきたのか不思議になるくらいの衝動的な精神異常者。映画・ドラマに限らずいろんな信長像があるし近年はダークヒーロー的なイメージも強いけど、ここまで頭のネジが飛んだオッサンはちょっと記憶にない。

数いるハゲの中でなぜ西島秀俊演じる光秀だけがハゲと呼ばれるのだろう。劇中何人の家康が死んだのか途中から数えていない、てか伝令が全員敵の間者じゃん。黒人奴隷から召し抱えられた弥助が信長様の目の前でポルトガル語でめっちゃ汚い悪口言ってるのもウケる。史実で信長様の遺体が見つからなかったことに対するオチも秀逸。

あまり題材として扱われない男色文化が結構ストーリーの核になっているのが印象的。信長様と蜜月な関係になると他の家臣から羨まれたなんてこともあったらしいけど、流石に加瀬亮と遠藤憲一のマウス・トゥ・マウスは絵面が強烈(しかも血塗れ)。史実として記録がけっこう残っているらしいけど、外国人から観たら「Oh~ポリコレ!」ってなる描写と思われるので、海外でもウケがいいかもしれない。

これだけ粗末な死に方をたくさん見せつけられた後に「首なんかどうでもいいだよ!」が最高だった。