このレビューはネタバレを含みます
首だせ首！とか舌出せ舌！のセリフ思い出しちゃうし相棒ポジに大森南朋といったらもう随所にアウトレイジ思い出しちゃう！まず配役に触れておきたいのが先行情報で出ていた面子に加えてキタノブルー映画で見かけた方々、勝村政信とか寺島進とか桐谷健太etc出てきた時はもースマブラの参戦ばりにテンション上がっちゃって、現在のお姿と参加してくれた意気と声かけてくれたたけしの演出にもうトリプル嬉しい！秀吉たけしって他と年齢的なルックの整合性云々は鑑賞前から言われていますが（てか自分が思ってた）、まあ慣れましたね。
内容に関しては武映画の真面目方面系の叙情的なシーンは少なく（予告の戦場死体まみれとか竹林集落襲撃の吊り死体を上から撮るとこは好き）、どちらかといえばエンタメ寄りでアウトレイジと座頭市をベースにコント要素を強めたような雰囲気。なんと言っても加瀬亮の演技が素晴らしい！表情や行動、言葉遣いのクセの強さがキャラの濃さに結びついているようにも思えます。「オレのために死ぬ気でハタラケ」←たまんねえ。しかし織田信長の残忍性や暴虐性（アウトレイジは痛いと笑っちゃうだろ？精神で作られたというのもあって痛い描写の工夫が見られる点が良くて、本作はそういう狙いが前提に無いとしても戦国時代という舞台なので現代のモラルと離れた時代だからこその酷さを見たかった所も）は期待していた以上のものはなく、予告で期待する内容の範疇だったかなと。合戦の描写は大迫力でしたが本作はその裏で働きかける工作に焦点を充てた作品ではあります。
大きい見せ場がドンと用意されている感じというよりは中イベントの連続で面白いけど、あのシーンがすげえイイ！！！という突出した所は個人的にはなかったです。（本能寺の変もそれほど衝撃的な盛り上がりどころでは無かったような。）弥助の一太刀についても意外性は大きいかというと微妙だし、秀吉が糸引いてるのは予告の時点で分かってるので、実は…！？な、もしかしたらこういう誰も予想しない暗躍があったかも！？みたいな裏切りがあるのかなと思っていたのですが。ラストはあれはあれで皮肉が効いてて好きなんですが唐突であっけない気も。出自が似通う茂助と秀吉の対照的に映る面がもっと見たかったです。
ただユーモア要素に関しては素晴らしい散らし方だと思いまして、草履の下りや醜女選択、切腹まだやってんの！？等、時代劇はお堅すぎて退屈と曰う口を塞ぐように進行を大きく邪魔しないお笑い要素が上手い脚本。また「テレビドラマじゃ見れない」と口酸っぱく公開前に監督が言ってた男色描写への切り込もとても良かったです。西島秀俊の胸筋がもう芸術だねあれは。加瀬亮の暴力的な愛情表現も最高。
たけしの発声が普段よりもハキハキとするのを意識していて逆にコント感が強くなっている気も。人体切断描写は多々あれど間口の広がった大掛かりなたけしのシリアス笑いありコント作品。有名な出演者の多さの点も売りの一つでマイルドな過激さはアウトレイジより進めやすい作品と言えますね。
