大好きなたけしさんなだけに面白くなかったらどうしようかとソワソワしていたが、最高に最高の北野武だった。実際に戦国時代を見た奴なんか今いないんだから、という前提でのたけし流の解釈。相変わらずのド派手かつ呆気ないバイオレンス描写と、たけし節満載のコメディタッチな描写で、今作は笑いのキレ味が冴えていた印象。ここが寒いと尾を引いてどうしようもない後味が残ってしまう時があるけど、ちゃんと面白かった。
北野映画は独特のテンポと間が気持ち良い。芸人として頂点に君臨するたけしさんだからこその天才的な会話の間はもちろんだが、編集の間合い。常に自身が編集も兼任していることから分かるように、北野映画たらしめている要素はその編集の"間"によるところも大きいと思う。カットの繋ぎやちょっとした編集の間で生み出された笑いも楽しめる要素。
