はぐれ

首のはぐれのレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
3.4
お家騒動もあってアウトレイジ最終章から6年も経って公開された本作。それ故に監督のやりたかったことがあれやこれや入りすぎていて少々とっちらかっている印象(笑)

公開前から言われていた戦国版アウトレイジ的なバイオレンス要素はもちろんの事、秀吉・秀長・官兵衛のコントチックな『監督ばんざい』的な要素、信長・村重・光秀のBLの『御法度』『戦メリ』的な要素、そして上層部に振り回される部下の悲哀を描いた『Brother』以前の要素。その三つ目の要素を担っていた茂助のエピソードがやっぱり魅力的に映るのよね。北野映画は信長や秀吉のような覇者よりも虫けらのように扱われる茂助のような社会的弱者に寄り添った切り口の方に醍醐味を感じる。

あと個人的には般若の左兵衛を演じた寺島進さんの佇まいがいちいちダンディーで画面に映る度に沸き散らかしていた。かつて小津の撮る原節子がどの作品よりもエロいと語られていたように、武さんが撮る寺島進さんはどの作品よりもクソエロいのよ🤦いつの日か寺島さんが親分のヤクザ映画を武さんに撮ってほしい🙏
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