戦国「アウトレイジ」かと思っていたら戦国「おっさんずラブ」いや戦国「きのう、何食べた？」でした。
シロさん、もとい明智光秀とケンジ…ではなく遠藤憲一の血塗れラブコメディが堪能できます。
大まかなストーリーは史実を参照してもらい歴史の幕間をショートコントの様に見せていきます。
大きく分けて信長、光秀、村重の三角関係コント、秀吉、秀長、官兵衛の軍議コント、新左衛門、茂助の成り上がり忍者コントが交互に繰り広げられます。
役者陣は素晴らしく誰も彼もキャラが立っています。
加瀬亮の暴君ぶりも良かったです。
あまり好きではないですがキム兄が良い味を出していて良かったです。
中村獅童と何となく顔の系統がにていますね。
方言丸出しの信長は良かったですし、広島ヤクザ風味の安国寺恵瓊が好きでしたね。
「人生はクローズアップで見れば悲劇だがロングショットで見れば喜劇だ。」と言う言葉がありますが今作はクローズアップでも喜劇で人生は最初から最後まで遊びだという悟りとも諦観とも言える感覚が好みです。
戦国時代の異常に人命の価値が低い中、上から下までみんなクソな男達の殺し愛ブロマンスが繰り広げられるのが良いです。
「みんなが仲良く暮らせる国を〜」なんていうどこぞの国営時代劇みたいなお花畑ファンタジー調よりも好みですね。
殺しあうのも愛し合うのも全て男という「男だらけの大戦国合戦 ポロリもあるよ（主に首）」を堪能できました。
最大の問題点は北野武のミスキャストです。滑舌はまだしも秀吉には全く見えないのが問題です。
諸説ありますが
西島秀俊>6歳差>加瀬亮>3歳差>北野武>5歳差>小林薫
は無理がありすぎます。
でもな〜、北野武、大森南朋、浅野忠信の３人のアンサンブルというか空気感は最高だったのでヨシとするしかないかな。
ここのアドリブ上等のユルいやり取りが福田雄一監督とどう違うんだ、コッチが良くてアッチが何で悪いんだと言われると困るんですが……
