HAYATO

首のHAYATOのレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
3.9
2023年453本目
楽しみにしていた豪華キャスト揃い踏みの北野武監督最新作
日本人なら誰もが知る「本能寺の変」を題材にした戦国スペクタクル
タイトルを象徴するかのように全編に渡って「首」が飛び交う様子が描かれていて、戦国時代の非情さがひしひしと伝わってくる。
シリアスな場面とは裏腹に、羽柴秀吉、羽柴秀長、黒田官兵衛の3人のやり取りがいちいち面白く、ところどころアドリブっぽいのが尚更可笑しい。
様々な欲望と野望が錯綜し、互いを平気で裏切って出し抜いてやろうとする武将たちの姿は甚だ恐ろしい。
前情報から想像もしていなかった「男色の愛憎模様」が描かれていたのが印象的であり、本作をきっかけに、女性のいない戦場で戦うことが長く続いた戦国時代においては、男同士の性愛はタブーではなく広く浸透していたということを知って大変勉強になった。
怒号浴びせまくりの織田信長は狂気に満ちていて、最近見た『重力ピエロ』とは真逆のようなキャラクターを演じた加瀬亮さんの迫力が凄まじかった。
『浅草キッド』で監督を務め、北野監督を大尊敬している劇団ひとりさんをカメオ出演させるなんて粋なことするなぁ。
北野監督の代表作はサブスク配信がなくて未だ見たことがないものだらけなので、いち早く見たくなってきた。
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