正直な印象としては、数多くを占めるレビューほど悪い感触はなく、ある程度は面白いと思った。
…が、過去の北野作品、例えばアウトレイジ等と比較して切れ味含めて満足いくものであったかというと、到底物足りるものではなかった。
そもそも、老いてから色恋に落ちた者がそれまでの功績を台無しにして晩節を汚した象徴のような存在である豊臣秀吉を北野武が演じて本作を制作したことは逆にそこを狙っていたのではないかと疑ってしまうほどになんとも皮肉としか言いようがない。
また、BL要素もコメディ要素も、本作に敢えて絡ませる必然性を全然感じなく、ただ蛇足にしか感じなく、せっかく独自の解釈の切り口で面白く描かれているのに、それらの要素を絡ませることで結果として印象を拡散させてしまっていることは残念で仕方ない。
