ででん

首のででんのレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
4.6
恋愛映画が世の中にたくさんあるうえで、この作品はカウンター?として素晴らしいと思った。(ギャグ)
もう、愛なのかなんなのかわからないよ。
だけど本気。命がかかってるんだから。
首がいくつあっても足りないような世界で、生き延びること、のしあがること。
はじめの方に言っていた、「武士にとっての惚れた腫れたはややこしい(うろおぼえ)」が一貫していたように思う。

武が「死に直面した男同士の関係性を描きたい」って言ってたけど、その通りだった。

主従関係って、ほんと不思議な関係性。
自分の命が惜しいことと、親方様をお慕いしていること、どちらも両立してないまぜで、分けられないもの。恋愛っていわれるより、それくらいの方が切実で嘘がないような気がする。
徹底的に男の世界。
自分がかつて、歴史小説にハマった理由がこの映画にあった気がする。

武映画の男の世界は一貫している。
命が軽くて、人生なんてあっけなくてしょーもないけど、…愛すべき馬鹿といわんばかりの人間讃歌

映画的には、何度もやり尽くされた戦国時代もの、どのように進んでいくのか全く読めなくて、その点でも私は楽しかった。
でも、誰彼構わずオススメする!!っていう感じではないのはなぜなのか。笑
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