やりたい放題、その場の張り詰めた空気がリアリティを保ってひしひしと伝わる。
一挙手一投足が状況を如何様にも分岐させ得る。バタフライエフェクトなんてもんじゃない。
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全編を通して感じたのは、歴史上のどんな人物に対してもひとりの人間としての扱いを徹底しているということ。呆気なく人を殺め、当人も呆気なく殺される。ほんとうに、人は呆気なく死ぬ。
情けも尊厳もない。目まぐるしくもがくようにそこに生きている。
狂乱の時代を包む緊張と狂気を体感したような気分。
喜劇的な映画、というよりは、「人生なんてのは喜劇にすぎねんだよバカヤロー」を映画に収めたような作品。