格式などなく野心の為なら気軽に首をはねる武将達のナチュラル狂人ぶりをどこまでもカジュアル&冷笑的に描いた戦国悲喜劇！
更には信長が統べる権力構造に男色を絡め〝本能寺の変〟に落とし込む大胆な切り口、恋まで操る秀吉の狡猾さまでw自由やけど悪ふざけではない絶妙なバランスはさすが北野武監督。
面白い！
奇抜な解釈ではあるけど極悪非道な信長を始め、武将たちの人物像や持ち味は割と古典的な枠に収まってて見易いし、農民出身である秀吉の武家社会から一歩引いた視点が残酷な戦国の世をも皮肉ってたりとw笑いと共にどこか虚しさも漂うドライな語り口も良い！
まあその反面、人物に深みや色気が足りなかったり展開も淡白過ぎる印象を受けたけど、それも含めて監督の狙いだと思うし、そんなシニカルさがオチにも活かされてたのでなんやかんや満足度は高かった。
特に天下統一に向けてノリに乗ってる秀吉と、そんな殿のご機嫌取りをしながら上手く転がす秀長や官兵衛ら側近との力の抜けたやり取りが笑いを誘っていたし、迫力の合戦シーンもドラマティックな展開を極力抑え、拍子抜けするほど無慈悲な暴力をアッサリ描く…
この辺りの命の軽さにも監督らしさが溢れてて良かった。
また北野組勢揃いな賑やかなキャストも相変わらず濃くて最高やったしw加瀬亮さん演じる極悪ハイテンション信長も良かったけど、個人的には中村獅童さんの変幻自在な演技が特に印象的で素晴らしかった！
あとコメディリリーフ的なとぼけた秀吉像なのに威圧感や怖さも漂うたけしさんの演技もやっぱり魅力的でした！
