まずファンとして北野武監督の新作映画が観れるだけでありがたい。それを踏まえた上で、映画全体のカット割のテンポが、特にラストシーンが顕著だけど遅くなっていて、昔の北野監督だったらあとコンマ何秒早いな…などと考えてしまった。
またオープニングに表示される文章や配役名がそれぞれ載ったりするのも、大河ドラマのオマージュなのかもしれないが、説明的に思えた。
そして何よりも意外と時代劇としてすんなり観れてしまって、北野映画の歪さみたいなものは所々見られるけど、だいぶ影をひそめてしまっていた。
それでもファーストシーン、水面に浮かぶ死体、カメラが少しずつその死体をとらえると首がなく、そこにカニが這っている画とかは、「おお!いま北野映画を観てるぞ!」という気持ちになって興奮した。