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首のmeのレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
3.7
合戦シーン、戦争映画。戦に関する作品を観たことがないわけではない。
そういった映画の中でも首は特に生々しさを帯びていた。生活中の会話シーンや、澱みある人間関係がそうさせるのか。
今を生きるわたしのような人間からしたら命があまりにも軽い。軽く打ち捨てられた命で築いた天下があり、皆それを目指す。
斬首されてる現場に野次馬が群がるっているのを観てると、この時代に生きたくない…と心から思った。(もしかしたら前世に生きてたかもしれないけれど!)
斬られ血飛沫があがる、首が飛ぶ、転がる死体にカニが這うような凄惨な現場はまさに地獄。
しかしそういった視覚的なグロテスクよりも、さらに精神性がグロテスクだったと思う。それも、先に書いた命の軽さが理由なんだと思う。

「出世」に対しての野心に突き動かされるというのは今の時代も変わらないのでしょう。

日本史を学んだことがあるからある程度の人物は知っているものの、それはあくまで記号だったのだと感じる。
戦国時代の将軍たちのポジションや(脚色されているけれど)キャラクターがわかりやすいので、歴史の成績が悪い私でも理解できた。

グロくて薄暗い内容が目立ちながらも、エンターテイメントな作品なので笑える箇所も多い。羽柴勢のやりとりがアドリブコントっぽかった。
川島省吾に気づいた瞬間はめっちゃ吹いた。
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