テルヒサ

首のテルヒサのレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
4.8
信長の後継ぎを巡る、家臣たちの「首」の奪い合い。
序盤からグロ表現も交えつつ、狂ったキャラクター達の生き様を素晴らしいテンポで描いていて、最初はびっくりしたが、中盤以降は段々と面白おかしくなってくる、という不思議な感覚を味わった。
人の首を斬り落とすことや相手を蹴落とすことを普通とする狂ったキャラクター達に慣れてくると、それに至るキャラクターの思考や選択、意外な結果が面白くなる。きっと観客の感覚も狂わせてこの世界観を一緒に楽しませようとしたのではないかと思わせるくらい、表現が躊躇なくどこかシュールな笑いを狙っているような作風だった。
画面の力は凄まじいカットがいくつかあって、見ごたえがあった。特に合戦、能のシーン。
茂助のキャラクター、ストーリーがメイン級に面白かった。ラストも最高。
キャスト全員すごかったけど、特に加瀬亮、キム兄、中村獅童。加瀬亮の信長は圧巻。今までの加瀬亮の影が一つもなかった。キム兄は佇まい、存在感が唯一無二。中村獅童は振り切って百姓として存在していて、ダメダメだけど好きになっちゃうキャラクターを演じていたのが見事だった。
たけしが所々見せるアドリブみたいなツッコミや会話、行動はなんでこのタイミングでこれやるんだ、て思って面白かった。
テルヒサ

テルヒサ