KAMU

首のKAMUのレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
4.6
2023.12.27 劇場鑑賞

「首」なんとか年内滑り込みで鑑賞。
北野作品は毎回「今回が遺作になるかもしれない……」という心持ちで映画館にむかっている。だからこそ、毎回ちゃんと面白くて驚かされる。
本作はこれまで以上に監督・北野武のすべてが盛り込まれており、映画を撮るのが上手いなあとしみじみと感じいった。

また配役の絶妙なこと。武や木村は特別に演技がうまいわけではないのに、むしろ拙さが味わいとなっている。もちろん加瀬亮をはじめ、俳優本職陣も強い。
個人的に武・大森南朋・浅野忠信のトリオがアドリブだろうなというやりとり含め、出るたびに笑わされてしまった。
ラストも最高にCOOLで、気持ちとしては観客全員でスタンディングオベーションしたかった(残念ながら誰もやっていなかった)

三部作以降、アウトレイジというエンタメに舵を切り成功させた監督の手腕は本当にすごい。あのままアートに全振りするかと思ったし、それでも構わないとも思ったが、芸人ビートたけしが根底にあるからなのか。あと一作、あと一作……と次作に期待してしまう。
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