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こいびとのみつけかたのEDDIEのレビュー・感想・評価

こいびとのみつけかた(2023年製作の映画)
4.7
“おかえり”“ただいま”と言える場所が欲しいね。植木屋の主人公、そこで調達した落ち葉がすべてのはじまり。
変わり者の2人にしか知り得ない世界観。それが愛おしく心地良い。
メロドラマとして歌が感情を揺さぶり想定外の出来事が心を震わせる。

すっごく良かった。前半爆笑、後半号泣。

倉悠貴の代表作になり得るだろうなと思いました。それぐらいキャラクターが立ってる。
『まともじゃないのは君も一緒』の前田弘二監督&高田亮脚本の再タッグ。彼らに変人を描かせたら右に出る者はいないですね。
明らかに変な人なんだけど、少しずつ倉悠貴が愛おしくなり、笑いが止まらなくなります。そんな独特の世界観についていく芋生悠のヒロイン感も素晴らしかったです。

脇を固める役者は川瀬陽太、奥野瑛太、高田里穂、宇野祥平ら磐石の布陣。
倉悠貴の相方であり劇薬のきっかけにもなる奥野瑛太、ずっと安心感を与えてくれる川瀬陽太、意外に物語に絡んでくる高田里穂、ちょい役と思いきや最後の最後に存在感を現すさすがの宇野祥平。
99分飽きずに楽しめました!

「これはメロドラマ」の宣言からはじまるこの映画には歌が重要なファクターとなります。
いずれも音楽担当のモリコネンという方の作曲、脚本・高田亮の歌詞ですが、特に中盤に披露する芋生悠のキーボードを奏でながら歌う歌があまりにも凄すぎました。
歌が上手いのは勿論、高田亮の作った歌詞が凄いですね。配信でもCDでもいいんで、この曲欲しいな。

あと『こいびとのみつけかた』は卵映画でした。
ほんの数秒の卵登場でしたが、ある食卓に並んだのが二つの黄身の目玉焼き。
“夫婦”や“恋人”など二人組の仲を表現するにはもってこいの料理。ただその目玉焼きには手をつけません。何か異様な空気感と全てを語り合えないある夫婦の心の溝が表されていました。

いやぁもう一回劇場で観たいなぁ。

〈キャスト〉
大島杜和(倉悠貴)
上尾園子(芋生悠)
大沢和樹(川瀬陽太)
脇坂治(奥野瑛太)
美咲(高田里穂)
ユイ(松井愛莉)
慎治(成田凌)
シマバラ(宇野祥平)

※2023年新作映画146本目
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