倉悠貴×芋生悠というキャスティングだけで邦画好きとしてはとても楽しみにしていました。変わりもの2人の物語。映画としての空気感も好きでした。自分の世界観があって自分の関心のあることを沢山話してくれる人も好きなので、私も杜和の話を聞くかも。でも、杜和の話は記事の切り抜きなので、話がぶつ切りで複数の記事の文章を羅列する感じだったのは少し違和感あったかな。それと、その話に興味のない同僚たちにとっては一日中話を聞かされるのは確かにキツイと思った。でも杜和のキャラクターはやっぱり好きだな。
変わり者同士の不思議で緩い世界観から、終盤にかけて園子の秘密が明らかになっていって、その内容はすごく現実的で辛い話で、一気にこの作品の空気感が変わった気がした。
でも、床屋の客たちを筆頭に、植木屋の同僚もコンビニのおばさんも園子の友達も成田凌も、なんだか温かみがあって、この映画は人を信じている人が作った作品なんだなと思った。褒めてます。『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』と同じで、この作品を見て救われる人はいると思う、そんな作品でした。
