こんなふうに、完璧な容姿で生まれる人っているんだ… と思わせるヴェルーシュカ演じる主人公ドリアン・グレイが、ドクトル・マブゼに滑稽なまでに翻弄されるのが不憫でもあるが…。
こういった感じでメディアが創り出した幻想に翻弄されるのは現代社会を生きる民も同じで。
それに対してリベンジの制裁をドリアン・グレイが喰らわせるまで、…というのが大まかな話の筋なのだが、そこに至るまでの物語のコラージュ感が監督の冒険心に満ちている。
「ここからは貴方ひとりで進んでいくのよ」
すりガラス越しの言葉は、より混沌としたともいえる時代をサヴァイブしていく我々にも響くのではないだろうか。