いはん

若き仕立屋の恋 Long versionのいはんのレビュー・感想・評価

若き仕立屋の恋 Long version(2004年製作の映画)
4.2
身体が王家衛映画を求めてたので、満たしてあげる事にしました。可能ならば映画館で、包まれるように鑑賞したかったけど、田舎に王家衛4kはやって来ませんでした。

触れられ、触れる。
一方的な、抑圧された愛が生じ、その愛が美しい服を作り上げる。何処までも従順な主人公が嫉妬に燃え、工房で一人チャイナドレスに手を付けるシーンは、どんなラブシーンよりも情欲に満ちていた。

服を作って貰う必要があった頃、距離を取ることで生じた情欲は美しい服へと繋がった。その必要が無くなってからも、二人は踏みとどまる。どんな客とでも寝る状況でも、チャンとは距離を保った。そこに果たしてどんな思いがあったのか。プライドなのか、感謝なのか、最後の桃源郷なのか、それとも永続的な”支配”なのか。どんな理由であれ、これで良かったのだと納得してしまう。
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