エロティック・ちまき
1960年代の香港。仕立て屋の見習いであるチャンは、店のお得意様である高級娼婦のホアと出会いたちまち心を奪われる。それ以来チャンはホアが他の男に抱かれるために着飾るドレスを健気に仕立て続けるのだが……というお話。
チャンはホアの体に触れたいという強い欲望を内に秘めながらホアの自宅へ足繁く通うが、チャンがホアの体に触れるのはラストを除いてドレスの採寸時のみ。そんなチャンの気持ちとは裏腹に、ホアは採寸の最中でも電話で客の男とずっと話していたりとチャンのことなど気にも留めてくれない様子。その時のチャンの心情を察するとほんま切ない。
ヌードシーンなど直接的な官能描写がなく、チャンは好きな人に触れたいという欲をギリギリまで押し殺し、ただじっと耐え続ける。このじりじりとした緊張感こそがウォン・カーウァイの考えるエロスなのか。
短編でありながら、監督の持つ世界観がこれでもかと凝縮された満足感のある作品だった。
過剰なほどエロい手つきでちまきをしっとり握るホア(妄想)のシーンはロングバージョンで追加されたものだそうで、こんなヤバイシーンをカットするとは非常に勿体無い。映画が発明されてから現在に至るまでの長い映画史の中でこれほどエロいちまきが存在しただろうか…。最高、観れてよかった。
チャンはbetcover!!柳瀬二郎に似すぎているし、ホアは沢尻エリカすぎる。