花火

パトリシア・ハイスミスに恋しての花火のネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

ハイスミスのテキストを読み上げる俳優/ハイスミスと直接交流のあった人/日記を読んでハイスミスに"恋した"監督/そして記録されていたハイスミス本人と、複数の声が映画に響いているのがまず良い。『見知らぬ乗客』で手にした見取り図を照らすライトの円がいつの間にか彼女の写真を抜くアイリスの円になっていたり、『キャロル』の名高い出会いの視線交錯正面切り返しシーンに原作のテキストや執筆動機を語る日記の朗読ボイスオーバーを重ねたりするなど、原作映画化作品の引用も凝っていて興味深い(引用タイトルの選択自体センスある)。ハイスミスその人はもちろん、当時のレズビアンの人たちが置かれた状況にも思いを馳せながら。
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