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パトリシア・ハイスミスに恋してのmayのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

「私が小説を書くのは、生きられない人生のかわり、許されない人生のかわり」

パトリシアハイスミスの言うように、文学は、現実世界のお薬のように機能することがあるような気がしている、小説を読んでいるときは、現実世界のことを忘れられるから。それが、書き手であれば、なおさらだと思うのだ。自分の手で、世界を構築していく営み。

実はパトリシアハイスミスの作品は、読んだことも、映画化されたものを見たこともない。「キャロル」は、レズビアン文学初のハッピーエンド作品らしい。小説世界のなかでさえも、同性愛を肯定することが難しい時代に、結末をハッピーエンドで綴じたことはとても大きなこと。どのように表現されているのだろう。こんど本を買ってみようと思う。今出版されているものは、エドワードホッパーの絵が表紙デザインだった。

彼女のフランスのおうち、スイスに建てたおうち、どちらもすてきだった。そこにはいつも、彼女がいて、猫がいる。そして、孤独のなかで、愛しい人を待ち侘びている。彼女の小説は、いつもあの場所で生まれたのだ、
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