てっちゃん

キリエのうたのてっちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

キリエのうた(2023年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

なんかイマイチだったけど、良い映画だった気がする、みたいな映画
凝ってるわりに本筋が単純だった
雰囲気は好きだし好きなシーンはたくさんありました

3時間はそんなに長く感じなかった。こういう映画は長ければ長いほど良いですからね。とはいえそのわりに説明されてないことが結構あってはっきりしない映画だった。良く言えば余白多め?考察の余地はアリ。
イッコが女を売りにする仕事を継ぐのが嫌だっていう理由で受験したのに、受かった大学にも行かないで結局結婚詐欺してるっていういろいろありそうな経緯の説明がほとんどなかったり、なのにそれが原因で最後刺されちゃっておしまいなのもイマイチ腑に落ちないし、あとはイッコのツテでトントン拍子にバンド組めちゃったり、とかでイッコとキリエが再会してからのエピソードが薄っぺらい感じしちゃったのが個人的には残念だった。
3.11も絡める必要あった?っていう感じ。無理矢理絡めた風に感じれちゃったというか、フィクションなんだったらそうじゃなくても良かった感。震災の時の雰囲気とかどこか危機感の足りてない先生とかは妙にリアルで良かったけど、このストーリーにおいて凄く大事なターニングポイントなだけに、震災直後の時期をもっとしっかり長く描いてほしかった。無いからこそ色んな妄想が膨らむ場面でもあるけれど。

過去の長い期間の出来事を時系列を行ったり来たりしながら丁寧に見せてたけど、その割に登場人物の個人的な背景とかが深掘りされなかったせいで少し謎が多かったかな
でも岩井俊二のこういうストーリーの畳み方はやっぱりすごく好き
観終わってすぐもう一回観たくなる魔法

最後もどうなるか大体予想できちゃったし、この3時間をまとめるには弱い終わり方だった。(刺された後の画は血もすごく綺麗でとても好きだった)
ただどう終わるのか期待してたら、「あぁこれで終わりか」みたいになっちゃったので少し残念

キャストは全体的に良かった
アイナジエンドっていうキャラクターが既に強すぎてしかも一人二役だからキリエに感情移入するのが少し大変だったけど、それでも思ったより役にハマってて良かった
松村北斗もすごく良くて、夏彦のしっかりしてそうでちょっとクズっぽいみたいな性格の微妙なところとか震災前後の心境の変化みたいなところまですごく良く演じれてたと思う。あんまり演技見たことなくてジャニファン集めみたいに思っちゃってたからかなり好印象だった
あとは七尾旅人と幼きキリエのライブシーンですね、好きすぎた〜!
てっちゃん

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