178分は長いのに、この映画の178分は短い。一瞬にして過ぎ去った。
物語は現在と過去を行ったり来たりする、何回も何回も。その高度な構成により物語への没入感が増し、退屈な時間はなかったのかも。
それだけではなく、演者による演技が良い。
有無を言わせない唯一無二の歌声、アイナジエンド、彼女の歌は人と人を繋ぐ魔力があり、説得力がある。
陰がありながらも周りを惹きつける広瀬すず、何十年も後悔と戦う松村北斗。
それぞれの役に適した魅力溢れる人物を演じたことで178分の厚みが増す。
そしてこの作品は、音楽映画。
有名なカバー曲、オリジナル曲、様々な歌が映画を彩る。
華やかに情熱的に、主人公キリエの気持ちを全て歌に込める。歌が全編を通して語る。
まさに映画そのものが"キリエのうた"