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キリエのうたの鹿のネタバレレビュー・内容・結末

キリエのうた(2023年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

東日本大震災、津波は、告知してください。他のそれを扱っていて告知していない作品でもそうだが、告知しなくても個人個人の傷とか痛みとか、そういった心情に配慮しなくても、それを上回る感動なりなんなりを与えられるという、おごり、を感じてしまう。
もうひとつ。「女の性」を利用して生きていくことへの嫌悪を、広瀬すずに語らせておきながら、アイナが一人二役で演じる「姉」のほうが「女」を武器に男を結婚まで追いつめる描写、津波が迫る中、スマホで会話をしながら、男のほうが早く高台に避難しろと言っているのに、ねえ、私を愛してる?的なのんきなことを言ってくる女とのやりとりは、悪趣味なコントに見えて、ホラーといってもいいくらいゾッとする。そもそも「女」の撮りかたがいちいちいやらしい。それが生きている作品もあるのだろうが、本作では逆効果。むやみやたらに長すぎる、この監督の自己満足に付き合わされた、というのが正直な感想。とんでもない嫌悪と怒りという後味の悪さが残る。
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