ある女性の“うた声”をたどる旅だった気がします。
2011年、2018年、2023年など時間が断片的に切り取られながら進む“謎”?“人生”の紐解き…好きな構成でした。
岩井俊二監督の景色の切り取り方が昔から好きです。今作も美しい場面がたくさんあって、景色とともに人生はあるのだなあと改めて思わされます。
奥菜恵さんや、石井竜也さん、江口洋介さん…岩井監督作品が好きな人間にはたまらないキャストがたくさん…こんな点からも時間が経ったんだなあと思わされました。
『四月物語』の緑の美しさ。
『リリィシュシュのすべて』的なミステリー。
『花とアリス』みたいな女の子たちの距離感。
『friends after 3.11』で感じたやるせなさ。
今まで自分が感じてきた岩井作品の“味”が走馬灯のように蘇って、時間が経たことを痛感させられました。
最後の“うた”が清らかさも醜さも切なさも美しさも全部含んでいてそれはすごいシーンでした。
異邦人、さよならなどカバーソングが素晴らしかったです。