キリエのうたのおはようございますこんばんはのネタバレレビュー・内容・結末

人が持っている歪な部分を描いた作品。
冒頭の雪景色のなか、わちゃわちゃする女の子2人が印象的。
登場人物全てが訳ありな人。というか人間なんてみんな訳がある人しかいないような気がする。みんな何かしらを抱えて生きている。それが普通なのかもしれない。
アイナ・ジ・エンドの演技の唯一無二感が強い。役というよりは本人。好みが分かれそう。
なっちゃんは今まで自分の中でずっと罪を抱えながら生きてきていたのかと思うと最初からどこか闇を抱えてそうな風貌も納得できる。あのときの決断はどちらの決断だったのだろうか。キリエのさよならの言葉からは、なにかを察しているかのような雰囲気もあった。
讃美歌のようなものが流れるタイミングが最高。
岩井監督の作品だと思わせられるカットもあった。
脚本の作り込みがすごい。3つほどの時間軸が同時に描かれており、ピースをはめるかのように見ていた。
今作は音楽が大きな要素として扱われている。初めての路上ライブでハウリングするところなど、音による心情描写もあった。
思っていたよりも視聴するのに体力を使う映画だった。満足感が大きい。